深々とぼうしをかぶる彼女は、
もしかしたら有名人なのかもしれないし、あるいはただその日はそういう気分だったのかもしれない。
時々こういう女性が存在する、完璧なお洒落かつ、完璧なdoby。
彼女は5種類のグレーを同時に纏っていた。赤が優しい異和。
少しだけ見えた髪を結うゴムの紺色は、夜みたい。
全てが上質なのに、そんなものの価値がどうでもよくなるほど彼女の肌や髪や、どことない怯えのようなものが美しかった。
area: Setagaya / 世田谷
a woman in Setagaya
photograph by tetsuro kato